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ううっ、眠くて死にそうです!
今日は朝からバイトだったのに、明け方4時半頃まで本読んでしまいました!
自業自得です…
と言うことで、読み終わりました。
相変わらず、深いです、、、
読み始めて、序章が終わって本章に入った時、「あれ? この設定…」
主人公の『私』、今多コンツェルンの会長直属の社報「あおぞら」の編集室で編集している『私』。
どこかで見覚えがあるぞ!
もしかして以前にも読んだ本??
それにしては、話の始まり方に全く記憶がない!
暫くして思い出した。
『誰か』と同じシリーズだ。
『私』は図らずも大企業今多財閥のお嬢様を嫁にしてしまい、その結婚の条件として、今多コンツェルンの企業内に入ることと、会社内での発言権を持たないことなどいくつかの窮屈な取り決めを一方的に押し付けられ、それを甘んじて受け入れたために自分の親兄姉からは半勘当状態。
逆玉と妬まれたり謗られたりをも外野のざわめきと意にも介せず、強いのか無神経なのか…
でもきっと我慢していることも多くあるんだろうけど、誰も彼の本当の苦しさなんて…彼が愛する者のためにどれだけの犠牲を払っているかなんて思ってもみない。
ただただラッキーな幸せものだとしか思われない。
そういう微妙な主人公が、事件に巻き込まれて、その事件を解決していくんだけど…
前回は 他人事の事件だったのが、今回は自分がその渦中の一人となる事件も起こる。
タイトルの『名もなき毒』だけど、この『名もなき毒』とは何をさすのか?
店頭に並べられたドリンクの中に、青酸カリの混入したドリンクが置かれ、それを飲んだ人が亡くなるという無差別殺人が起こった。
被害者は4人。
自分の職場の部署で起こったトラブルの始末をしていた途中、ひょんなことからこの4人目の被害者の遺族の娘と孫娘と知り合い、『私』の身に降りかかったトラブルと殺人事件の謎解きが並行する。
無差別殺人に理由あるのか?
それとも…
『私』が出会ったトラブルメーカーの嘘つき女。
『私』から見れば異常だと思われる彼女も、見方を変えれば普通の女性。
普通って何だろう?
どこが基準なんだろう。。
今はきっとそういう基準のラインが低くなっているんだろうね。
だけどそれだけの問題ではなくて、他にもそれぞれの勝手な基準があるだけ…
でも私の高校時代のクラスメイトにもいたいた、こういう嘘つき女!
まぁここまで攻撃的ではなかったけど…
多分私がその標的にされていたので、他のクラスメイトたちは知らなかったはず。
最初にかまった人間に食って掛かってくるのよね~、こういう人種って!!
何か、この小説に出てくる嘘つき女と微妙に名前まで似ていて…、ああ、嫌なヤツの事思い出してしまったって感じっ!
人に殺されていきなり生を絶たれるもの、追い詰められて自分で死を選ぶもの、死のうと思って人を殺してしまうもの、病気で余命を宣告されているもの...
死とは何だろう…
どれも悲しく、切ない。
そして『誰か』の時には、偉大すぎて『私』の苦手な舅って言うだけの想い…
愛する娘と孫、そして意外に娘婿である『私』に対して、感謝と理解があるのではって…
『私』が思っているほど、『会長』である義父は遠い存在ではなく、案外『私』に対しての理解は嫁よりあるのではないかって思えるエピソードもあり…
まぁとにかく色々考えさせられる、本当にテーマが一つでない物語ですが、いつも思うのだけど、常日頃私が今の世の中を見ていて心で思っていることを上手くまとめて言葉にしてくださっている…そんな感じです。
そんなことを考えながら読んでいたら、小説の中にも同じような件(くだり)があり、ちょっと笑ってしまいました。
宮部さん、予知能力者? それともこれも計算?
読んでいる私の心まで読まれてしまっているような気さえしてきました。
一番心に引っかかった言葉は
「わたしたち、まだどこのナニモノでもないでしょ? いずれはどこかのナニモノかになりたくて一生懸命やっているつもりだけど、望んだ結果が出るかどうかはわからない。結果が出る人と出ない人の差がどこにあるのかも見えない。最初から、自分はどこのナニモノかにならなければいけないんだって、考えずに済めば楽ですよね。でも、もうそうはいきません。わたしたち、みんなそうしなくちゃならないってことを知っちゃったから。目覚めちゃったから」
私には何となく真理のような気がしました。
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